カラスを初めて撃って食べた

今猟期のカラス捕獲は1羽のみ (ハシブトガラス)であったが、気づいたことなどを記そうと思う。

私が試したのは、鹿の残渣を使いカラスを誘引して、近くに飛んできたところを散弾銃で撃つ、という方法である。

カラスなんて沢山いるし、餌に群がっているところを何度も見たことがあったので、これなら簡単に撃ち落とせるだろう、と思っていたのだが、甘い考えだった。

今期は2〜3時間の出猟を4回行って、うち3回で発射したものの、先に書いたように落とせたのは1羽のみ、あとは半矢ですらなかった感触である。

唯一成功した際の状況を記すと、射距離は目測で20〜25m。誘引場所の付近を歩き回り、撃ちやすそうな場所で立ち止まり、カラスがほぼ水平に飛んでいるところを木々の間から撃って1発で落下、足で飛び跳ねて逃げているのを追いかけて2発撃ち、完全に止まった。銃は12番の上下二連であるMS-2000 Sport GR.1、チョークは上下ともインプシリンダー (スチール装弾ではモデ相当になる)。弾は鴨用に購入してあった、ソフトスチール5号を使用した。

後から思い返すと、”歩き回り”、”飛んでいるところを木々の間から撃つ”というのが、成功の鍵となったのではないかと思う。

と言うのも、いくらジッとして待ち伏せをしていても、カラスにこちらの存在がバレないようにするのは困難で、人間が近くにいることを察知しているカラスは、地面に降りて餌を食べたり、射程圏内の低い枝に止まったりすることは、私が観察した限り殆ど無かったからである。

一方で人間が動いた際は、カラスの方から様子を見に近づいてくるように感じられた場面が何度かあった。カラスとしては、餌は食べたいが人間が怖い、と考えていると思うので、危険対象がどこにいるかを把握しておきたいはずである。それで、こちらの位置や様子を見るために、低く飛んで来ることがあるのではないかと予想される。

腕さえあれば、より絞ったチョークを使い、高い位置を飛んでいるカラスを撃ち落とすことも可能だろうが、低いところを飛んでいるのを狙えるのであれば、当然そのほうが簡単である。

もっとも、ここまでは最初の1,2発を撃つ際の話であって、1度銃声を響かせてしまうと、カラスはより警戒するので、低い位置は飛ばなくなるように思う。

一箇所で複数匹捕るための工夫は今後の課題であるが、カモフラージュの強化と、囮 (デコイ)の使用が有力な候補である。次の猟期も、カラスの捕獲に挑戦しようと思う。

最後に、カラスの解体と調理、そして食べた感想について。カラスは皮が硬い、という事前情報を得ていたので、捕獲したカラスはその場で頭と羽を落とし、皮ごと剥いて内蔵も抜いた。

最初は、丸鶏のまま塩・胡椒・タイムを擦り込んで、グリルで焼いたのだが、食べてみると予想以上に肉が固くなってしまっており、旨味も感じられなかった。仕方無いので、胸肉など大きめの部位だけ骨から切り離し、細かく切って炒飯に入れて食べてみた。特に美味くはないが、決して不味くはなく、十分に食べられると感じた。もっと数を獲って、様々な調理方法を試したいところである。

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