ソフトスチール散弾の購入と使用について

今年度の初猟日は、知人に誘ってもらい初めてのカモ撃ちに行ってきた。

猟用の散弾を買うのも初めてだったのだが、カモを含めた水鳥の生息する水域で鉛弾をバラ撒くのは気が引けたので、最初からソフトスチール散弾を使おうと思い、銃砲店に行って注文できるか聞いてみた。

ソフトスチール散弾については、

カテゴリー別 散弾実包 | ■日邦工業株式会社

に、「Remington:国産狩猟用装弾 RXP / RXP エクスプレス ソフトスチール(非鉛狩猟用装弾)」という製品名で載っており、私がネット上で確認できた入手可能そうな製品はこれだけであった。

ラインナップは口径が12GAのみで、号数は[BB・1・3・5]の4種類。散弾重量は、32.0gと35.5gの2種類が挙げられているが、銃砲店から問い合わせてもらったところ、35.5gの取扱は終了しているとのことであった。

誘ってくれた知人からは3〜4号を用意するように言われていたので、3号の32.0gを1箱、取り寄せてもらい購入することにしたのだが、私が購入した銃砲店では、これまでソフトスチール散弾を取り扱った記憶が無い、と言われてしまった。

私の住む都道府県 (その銃砲店の所在地でもある)にも、鉛散弾規制地域は存在するのだが、ごく一部の場所なので、非鉛散弾はほとんど使用されていないようである。

銃砲店の店員さんが、店の奥からタングステン弾 (号数失念)を出してきて見せてくれたが、パッケージの箱がボロボロで、相当の期間、売れずに在庫していたようである。ちなみに、そのタングステン弾の販売価格は、税込みか税抜きか確認していないが、10発1箱で3,600円程とサボット弾並の価格であった。

ソフトスチール散弾も、鉛散弾と比べると割高ではあるが、そこまで高くはない。鉛散弾である「Remington:国産狩猟用装弾 RXP-S / エクスプレス(狩猟用装弾)」の33.0gが25発1箱で4,125円(税込) (上記の日邦工業のリストより。情報が古い可能性があるので、本体価格や税率が現在も同一かは不明、以下同様)なのに対し、「Remington:国産狩猟用装弾 RXP / RXP エクスプレス ソフトスチール(非鉛狩猟用装弾)」の32.0gは25発1箱で5,363円(税込)となっている。

銃砲店で注文してから約1週間後に、入荷したと連絡が来たので取りに行き、初猟日までに購入することができた。

今回初めてソフトスチール散弾を購入して分かったのは、私の地域では使用している人はほぼおらず、入手するためには早めに注文して取り寄せてもらう必要がある、ということである。

続いてソフトスチール散弾の使用についてであるが、私が使った猟銃、MS-2000 Sport GR.1は当然ながらスチール散弾対応である。

付属の説明書によると、チョークの対応表は以下のようになっている。

名称 フル インプモデ モデ インプシリンダー シリンダー スキート
鉛散弾 フル インプモデ モデ インプシリンダー シリンダー スキート
スチール散弾 使用不可 フル フル モデ インプシリンダー インプシリンダー

なお、チョークを入れてあるケースに書かれた英語の説明では、スチール装弾でフル相当となるインプモデとモデについて脚注で、”When two tubes are listed for a given steel shot pattern, use the more open choke listed when shooting high velocity, larger shot size loads.”と書かれており、簡単に言えばなるべくインプモデよりモデを使ってね、ということである。

私は初めて行く猟場で、獲物までの距離感が分からなかったため、とりあえず上下二連の上をインプシリンダー (スチールでモデ相当)、下をスキート (スチールでインプシリンダー相当)の設定でやってみることにした。

結果から言うと、10発撃って2羽のコガモを落とすことができたのであるが、適当なチョークの組み合わせは猟場や狙い方によって変わるので、試行錯誤が必要であると思う。

私が行った池では、堰堤を登って飛び立ったカモが自分の方へ飛んでくるのを撃つ状況が多かったので、トラップ射撃とは逆で、二の矢が開く設定のほうが良かったかも知れない。加えて、複数の個体が出ることが多かったので、上下とも同じチョークにしておいて、最適な距離に飛んできた奴に1発ずつ撃つのが良かった可能性もある。

弾の号数については、今回はコガモしか落とせなかったので、マガモやカルガモといったより大型のカモ、あるいはより脂ののった個体については分からないが、ソフトスチールの3号は十分適合しており、おそらく5号でも良かったのではないかと感じている。

撃ち落としたコガモのうち1羽は、体内に1発、散弾が貫通せず食い込んでいた (もう1羽は知人に渡したので不明)。気をつけながら食べていたので、歯で噛むこと無く取り出せたが、ソフトスチール散弾は鉛より硬度が高いため、食べるときには注意が必要である。

また、ソフトスチール散弾は跳弾しやすいため、水面撃ちを避けるべきであると言われている。今回私は、十分注意して行った止め刺しの1発以外、水面に浮かんでいる個体や飛び立つ助走中の個体は撃たないようにし、上空へ向けての発射のみにするよう心がけた。同行者 (2名)は鉛散弾を使っていたので、彼らが最初に撃って飛び立ったのを私が撃たせてもらったのであるが、単独で行う場合など、水面に向けて撃ちたい状況が想定されるなら、ソフトスチール散弾だけでなく、鉛散弾も用意するのが適当かも知れない。

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