シカの誘引狙撃 その7 猟銃の種類と照準

トラップ銃など、絞りの問題でスラッグ弾が撃てない銃を除くと、50m先のシカに当てるだけなら、ボルトアクションでないといけないとか、サボット弾でないといけない、ということは無い。ただ、誘引狙撃をしやすい銃の種類、というものは存在すると思う。

私は現時点で、半自動と上下二連の散弾銃を1丁ずつ持っているだけなので、今から書くことは、本やインターネット上の情報を観たり読んだりして、考えていることである。論理的に納得できると思えば、参考にしてもらえればよい。

射撃の観点からシカの誘引狙撃の特徴を挙げると、

・連射はあまりしない (=半自動やポンプアクションの優位性は低い)
・装填時の音は小さいほうがいい (=半自動は不利)
・精度は高いほうがいい (ボルトアクション、ライフル弾、サボット弾が有利)
・有効射程は長いほうがいい (ライフル弾、サボット弾が有利)
・構えたまま移動することが無いので、そこまで軽くなくてもいい

といった感じである。

簡単に言えば、ライフルが使えるならボルトアクションのライフル、散弾銃ならボルトアクションのハーフライフル銃+サボット弾、が誘引狙撃には向いていると思われる。

しかしながら、巻狩や鳥撃ち (散弾銃の場合)もすることを考えると、ボルトアクションは連射に不向きだし、ハーフライフル銃身はサボット弾以外を撃てないという制限がある。

結局、色々な種類の狩猟をしようと思ったら、半自動かポンプアクションの散弾銃で平滑銃身 (スムースボア)が、一番汎用性があってコストパフォーマンスが高い

半自動銃は、遊底を閉めるときの音が大きいという欠点があり、精度ではボルトアクションに及ばないが、音については遊底の閉め方を工夫することで対処でき、精度については誘引場所と狙撃場所の位置関係を工夫して、必要最小限の距離で撃つようにすれば、環境にも依るが問題ないだろう。

ハーフライフルの替え銃身を入手できる散弾銃なら、サボット弾を使うことで精度も射程も向上することが期待できるが、サボット弾の値段が高いことには注意が必要である。

照準に関わるシカの誘引狙撃の特徴としては、

・距離は比較的遠い (50m〜)
・暗いこともある (日出直後や日没直前、悪天候時など)
・射撃体勢は自由がきく

などが挙げられる。

これらを勘案すると、シカの誘引狙撃に使う照準としては、イルミネーション付きのスコープが最も適していると考えられる。

明るい場所であれば、光学機器を使わずとも、照星・照門あるいは照星だけでも、それなりに当てることは可能であるが、アイアンサイトは構造上、対象の一部や周辺が隠れやすいので、暗い林内で使用することを考えると、シカの全体像を見ながら撃てるオプティカルサイトの方が良い、と私は思っている。

私は今のところ、20番の半自動散弾銃に、倍率なしのダットサイトをつけて使用している。このダットサイトは引退した人から譲り受けたもので、お金があればイルミネーション付きのショートスコープ、等倍から8倍ぐらいまで調整できるものを買って付け替えたいところである。ただ、ダットサイトには、コンパクトで軽い (特にオープンタイプのもの)、頬付けした際に目の位置がずれてもある程度照準しやすい (特に巻狩や鳥撃ちで有効)、といった利点はあり、スコープを使うのはライフルを入手してからでも良いかと考えている。

次回は、狙撃のための射撃練習について書く。

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