スラッグ弾の射撃用と狩猟用の使い分けについて

私はこれまでに撃ったスラッグ弾は、全てレッドバードの射撃用 (Competition Load)か狩猟用 (Field Load)です。色々な種類の弾を撃って、自分の銃 (銃身)と相性の良いものを見つけるのが良い、という人もいますが、現時点で供給が安定しており、特に高価でもなく十分当たるので、わざわざ変えて試す必要も無かろうと思っています。

さて、射撃用と狩猟用の違いですが、これをちゃんと書いているサイトは少ないです。

メーカーサイト (ダイセルパイロテクニクス株式会社 » Blog Archive » 国産レッドバードスラッグ弾)には、20番の弾頭が、射撃用も狩猟用も19gであると書かれていますが、これは古い情報です (写真に写っている狩猟用の箱のデザインがそもそも違います)。

現在流通している、レッドバードのスラッグ弾の弾頭は、

射撃用: 5/8oz (≒17.72g) (oz表記であまり細かい分数を使わないため、一般的な表記で5/8の次である3/4 (≒21.26g)との間の重量で、19gである可能性が高いと思われる)

狩猟用: 25g

です。実際に弾頭を取り出して量ったわけではありませんが、箱にはそう書いてあります。

実包自体の重量を、手元のキッチンスケール (1g刻み)で測った結果、5個の平均で1実包あたりは、

射撃用: 30.4g

狩猟用: 33.2g

でした。箱に書いてある弾頭重量を信じるならば、弾頭だけで6g以上、狩猟用の方が重いはずですが、実包自体の重量差は2.8gのみ。

銃砲店で購入した20番スラッグ実包のグルーピングテスト – ハンティングログ
という素晴らしい計測データを載せている記事によれば、初速は射撃用の方が速いようで、弾頭の重さに合わせて狩猟用の火薬量も増やしてるというわけでは無さそうです。

備忘録 アポロ スラグ 20番 初速 | 元ヒコーキ野郎の感謝とボヤキのブログ – 楽天ブログ
によれば、弾頭が同じで初速が速いのが狩猟用、遅いのが射撃用、と分けていたスラッグ弾もあったようです。

弾頭の形状は明らかに違っていて、狩猟用が滑らかな砲弾型なのに比べ、狩猟用はスクリュー型になっています。実際のところは分かりませんが、スクリュー型になっている狩猟用の方が、被弾したときのダメージは大きそうです。

現時点での私の使い分けですが、

標的射撃 (50m静的、50mランニングターゲット)と、狩猟の止め刺しでは射撃用

狩猟の巻狩・単独猟では狩猟用

としています。巻狩・単独猟にも射撃用を持って行っていたことがありますが、射撃用の弾でシカを半矢にして逃したことがあるので、止め刺し以外の狩猟では二度と射撃用を使わないと思います。

3連発できる (半自動・ポンプアクションの場合)のだし、急所に当てれば射撃用でも十分止まるのだから、狩猟も全部射撃用でいいのでは、と以前は思っていましたが、一度半矢を経験したら、考えが変わりました。

私は20番の弾を使っているので、狩猟用のスラッグ弾でも反動がきつくて耐えられない、ということはありません。標的射撃と止め刺しで射撃用を使うのは、射撃用の方が狩猟用より1割弱値段が安いからです。動物を撃った際に半矢にする可能性が少しでも下がるなら、この程度の値段差は問題にならないと思います。

弾の種類を変えると着弾点が変わるので、狩猟で使うことがあるなら標的射撃でも狩猟用を使ったほうが良い、という意見も聞いたことがありますが、基本的には気にする必要ないと思っています (将来的に変わるかも知れませんが)。

射撃練習をちゃんとしている人の場合、狩猟より標的射撃で消費する弾数の方が圧倒的に多いので、照準は射撃用の弾で合わせておいて、狩猟用の弾で着弾点がある程度ずれるとしたら、その方向を覚えておいて、狩猟用を撃つ時には照準をその分ずらす、という意識でやれば十分だと思います。

Leave a Comment