歩き流し猟成功 2023年2月21日

2023年2月21日に歩き流し猟でシカ♂1頭と♀3頭、計4頭の捕獲に成功した。

この日は、前夜に降った雪が20cm程度積もった状態で、日中も雪が降ったり止んだりという天候であった。谷間の道 (公道ではない)を歩く分には、スノーシューやカンジキは必要ではなく、この日はスパイク長靴で通した。

銃はBeretta A400 Xplor Action (20ga 26in)、チョークはPorted +20mm IC、照準はライフルスコープ (1-6×24)、弾はレッドバード フィールドスラッグ。

1頭目 (写真上左♂)は、谷を下っていた最中に、単独の個体が前方の谷底から斜面を駆け上がるのを発見。木に隠れてあっと言う間に視界から消えたが、比較的登りやすそうな斜面へ足跡が続いていたので追跡を開始。小さな尾根を2つほど越えたところで、小さな谷を挟んだ先の斜面に立ち止まっているのを再発見した。シカは私の姿を認識していたが、都合の良いことに遮蔽物の無い場所で横向きに立ち止まった。すかさず装填して狙い発射。10mほど走って逃げようとしたが、すぐにバランスを崩して谷へ転がり落ちた。

射距離は32m (斜距離、レーザー測定)で、ほぼ水平方向への射撃。射撃体勢は斜面に体を預けるかたちでの座射。撃った後最初に撮影した写真の時刻が12:32なので、実際の射撃はその2,3分前、最初に発見したのが更にその2,3分前と思われる。

弾はシカの左側面の肋3枚の位置から入って、心臓を撃ち抜き、右側面ではやや前方へ抜けていた。この距離からなので当然と言えば当然だが、意図通りの完璧な射撃であった。

足跡を追跡しているのでストーキング要素が強かったような気もするが、道を歩いて飛び出たところを最初に視認しているという点では、歩き流し猟である。

2〜4頭目は、車で移動した別の場所で捕獲した。移動先の猟場は、歩いて往復すると2時間程度かかる道 (公道ではない)であったが、全長の3/4程度の距離を歩いて、2回シカを発見することができた。

2頭目 (写真上中央♀)は、川を挟んだ対岸で、私が歩いていた位置とほぼ同じ高さから、上部に向かって駆け上がる単独の個体を発見。シカが右側面をこちらに向けて立ち止まったところへ1発、走り出したところへ1発撃ったが、手応えが無い。幸いにも射程内でもう一度立ち止まったので、落ち着いて更に1発を発射。即倒せず走り出したので、外したかと思ったが、視認できるギリギリのところで倒れ込んだようにも見えた。

川を渡るのに苦労したが、確認のため倒れたと思われる位置へ行ってみると、ちょうど撃った位置から見えなくなるところで、倒れているシカを発見することができた。

傷を調べてみると、致命傷となったのは背中に当たって脊椎を損傷した1発で、これは3発目が命中したものと思われる。その他に、左前脚の皮が一部裂けており、弾が掠ったものと見える。恐らくはガク引きの影響で、胸部を狙った1発目が右下に逸れ、脚を掠めたものと思われる (私の場合はガク引きすると着弾点が右下にずれる傾向がある)。この傷からは出血していなかったため、恐らくこれだけでは致命傷にはならず、歩行への影響も軽微であっただろう。走り出したシカに向けて撃った2発目は、完全に外れたものと思われる。

射距離は1〜3発目がいずれも61m (斜距離、レーザー測定)で、やや上部への射撃。射撃体勢は1,2発目が立射、3発目は膝撃ち。撃ったあと最初に撮影した写真の時刻が14:54なので、実際の射撃はその4,5分前と思われる。

3,4頭目 (写真上右♀)は、2頭目を撃ったところから上流へ30分ほど歩いた場所で捕獲した。歩いている最中に斜面上部からシカの警戒音が聞こえたが、視認できなかったためそのまま歩き続けると、植生が薄く開けた場所へと出た。すると斜面上部にシカ3頭を発見。3頭が身を寄せ合うようにして立ち止まり、こちらの様子を窺っていたので、どこを狙ったら良いのか判断に困ったが、とりあえず1発撃った。ここで1頭倒れたのか、それとも外したのかは最終的にも分からなかったが、少くとも1頭がほぼ同じ位置で立ち続けていたので、もう1発を発射。さらに、1発目のあと障害物に隠れていたと思しき別の1頭が、等高線上に上流側へ歩いて移動した後、こちらを振り向いて止まったので、それに向けて3発目を発射した。3発目については、狙った鹿が倒れたのがはっきり視認できた。立ち位置を変えて下から見上げるも、それ以上動く鹿を発見できなかったので、斜面を上がって鹿を探すことにした。

この時点では、3発目で撃った1頭は確実に倒れているが、1,2発目は命中が確認できていないので、それぞれ当たって合計3頭倒れているかも知れないし、両方外しているかも知れない、という状況である。

結果は前述の通り、3発目で撃った個体とは別にもう1頭倒れていた。倒れていた2頭はほぼ即倒であり、もう1頭が被弾していたとすれば残るであろう血痕も発見できなかったので、1,2発目のどちらかは完全に外れ、少くとも3頭いた内の1頭は、無傷で逃げたものと思われる。

1,2発目のどちらかが当たったこの日の捕獲3頭目は、弾が頭部に当たり、両目の間付近を破壊していた (写真下左)。3発目が当たった捕獲4頭目は、右側面を撃って弾が肝臓を破壊し、大出血を起こしていた (写真下右)。4頭目のお腹には胎児がいた。

射距離は1,2発目がいずれも55m (斜距離、レーザー測定)で、上部への射撃。3発目は73m (斜距離、レーザー測定)で、これも上部への射撃。射撃体勢は全て立射。2頭を斜面から下ろして撮影した写真の時刻が16:19なので、実際に撃ったのはその10分程前と思われる。

この日、1日でシカを3回視認できて、見えた5頭のうち4頭を捕獲することができたわけだが、この成功の要因として大きかったのは、やはり新雪が適度に積もっていたことだと思われる。雪が積もっていると、シカの姿を発見しやすいし、シカも走って (飛んで)逃げにくい。さらに雪の消音効果で、接近を気づかれにくいと考えられる。加えて、1頭目に関しては、雪が無ければ足跡を追跡できず逃していただろう。

この日、致命傷を与えたと考えられる際の射距離と射撃姿勢をまとめると、32m (座射)、61m (膝撃ち)、55m (立射)、73m (立射)であった。これまで私が倒したシカの最長距離は、誘引狙撃 (射撃姿勢を整えやすい)が50m (座射)、歩き流し猟 (その場の状況判断で射撃姿勢をとる必要がある)が46m (膝撃ち)だったので、一番安定しづらい立射で73mというのは、大幅な更新となる。

これまで、射撃場での練習は立射が50mまで、100mでは依託ありの座撃や膝撃のみ行ってきたが、野外で70〜80m前後を撃つ機会が多そうならば、立射で100mの練習も始めることを検討すべきかも知れない。

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