真似してはいけない銃猟動画 その3


空気銃と散弾銃を使って、鳥撃ちから銃の大物猟、罠猟まで幅広く狩猟・有害鳥獣捕獲をされている方の動画である。一人称視点のアクションカメラに加え、銃に取り付けたShotKam(?)等も使って撮影されており、見やすい動画を数多く投稿されていて、参考になる。

しかし、銃の取り扱いと射撃に関しては、真似してはいけない要素を含んでいる。

まず、真似してはいけない銃猟動画 その2と同様に、この方も空気銃と散弾銃を同時に猟場へ持っていっている。最初に空気銃でカラスを仕留めた時は、車から殆ど離れず撃っているので、車内に散弾銃を置いていたとしても、保管義務には違反していないと思われるが、その後100m以上 (レーザー測定で距離115m先のカラスを仕留め、それを回収しに行くと宣言している)離れた場所へ行く際に、おそらく車内に空気銃を残したまま、散弾銃を持って歩き回っている。動画で見る限りは、協猟者を車の近くに残しているので、安全上の問題 (車の窓を割られて銃を盗まれる等)は少ないと考えられるし、100m以上離れていると言っても、見通しの良い場所で直接車を視認できるため、ただちに保管義務に違反しているとまでは言えないかも知れない。しかしながら、2丁持ち出しているなら、常に携帯しておくに越したことはなく、それができないのであれば、2丁以上持ち出すのは止めたほうが良い (実際、動画内ではその後、空気銃を家のロッカーに戻し、散弾銃だけを持って再度出猟しているようだ)。

それ以上に真似しないほうが良いのは、動画の後半でカワウを撃ち落とした後の取扱である。動画を見る限り、セミオート散弾銃を使っているが、1発撃ってカワウを落とした後、落ちたカワウを拾い上げてから、残りの弾を抜いている。カットオフ機能 (使用された銃に付いているのかは不明)を使って、初弾発射後に弾倉内の弾が薬室に装填されていないのであれば別だが、通常は次弾が薬室に装填されているはずである。獲物が落ちてそれ以上発射する必要が無くなった段階で、まずは脱砲すべきである。しかも、カワウが落ちた場所は、ぬかるんだ田んぼ (刈り取り後と思われる)で、銃を片手に持ったまま、田んぼに片足を突っ込んで手を伸ばし、拾い上げている。もしもこの際に、ぬかるみにハマって転倒してしまえば、暴発する危険性が高い。

特に獲物が捕れた際、狩猟者は興奮しているので、脱砲を忘れて次の行動へ移ってしまう場合がある。私は複数人で銃猟をしている時、獲物が捕れた人に近づく前に、(元折式等で明らかな場合を除き)脱砲したかどうか、必ず声を掛けて確認するようにしている。自分も協猟者もきちんと脱砲しているかを、常に意識するようにしたい。

ちなみにこの動画では、発砲の直前に足場を固めてから薬室装填しているようなので問題ないが、同じ投稿者の別の動画では、薬室装填したまま歩き回っている様に見えるものや、バックストップが無い状態での水平撃ちも散見される。比較的広くて人が少ない場所で実施しているようなので、このような銃の取り扱いをしても問題と感じていないのかも知れないが、真似しない方がいいと私は思う。

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