シカの誘引狙撃 その10 出猟前の準備

シカが誘引場所を頻繁に訪れていることが、自動撮影カメラによる事前観察で確認できたなら、実際に猟銃を持って出猟する計画を立てる。この時、シカが来やすい時間帯に狙撃場所に行ける、無理のない予定を組む必要がある。

行けそうな日を決めたら、当日の日の出・日の入り時刻と、天気予報を確認する。

私が実施している場所の場合、日の出や日の入りの前後にシカが誘引場所を訪れる割合が高いので、その時間帯を狙うなら、発砲してもよい時間帯を正確に把握しておく必要がある。なお、日の入り直前に撃った場合、そこからどんどん暗くなっていくので、当日中に山中で解体や埋設処理をするのが難しくなることが多い。日の出直後の時間帯に出猟すれば、捕獲できた場合もそこから明るくなるので、解体や処理をきちんと行いやすい。また、行きと帰りでは当然、帰りの方が疲れているので、疲れた状態で暗くなった山を歩くのは、危険性が高いということも覚えておきたい。

日の出前後がシカの出現頻度が高い、ということが分かっていて、午前中に出猟の予定を立てた場合、できるだけ日の出の時刻には狙撃場所に着けることを目標とするのが良い。少し遅れて到着し、待てど暮せどシカは来ず、後で自動撮影カメラを確認したら、狙撃場所に付いた時刻より前にシカが来て帰ったあとだった、などということになったら後悔するからである (私も何度もやっている)。

チャンスを逃さないようにしようと思ったら、前日から荷物や朝食の用意をし、早めに寝て体調も整えておくべきである。寝不足や体調不良の状態で、猟銃を持って出猟するのは良くない。また、狙撃場所まで移動するのにかかる時間を把握しておくのも大事である。実際に猟銃を持って出猟する際は、荷物の量が多いのと、寒い中待機するのに備えて厚着をしているため、さらに大きな音を出さないよう静かに移動することを意識するので、移動がゆっくりになりがちである。日の出の何分前に車を降りて狙撃地点へ向かえば、ちょうどよい時刻に着けるかを、出猟を繰り返す中で知るようにするのがよい。

次回は、狙撃地点までの移動について書く。

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